~砂田持論~ 破綻が宿命!?美容室の人材マネジメント論


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私、砂田は美容室の人材マネジメントというのは、
非常に特殊であり、そもそも破綻型であると考えています。
相当に特殊である点を理解し、この点をどうクリアしていくのか
美容室オーナーが将来的に必ずぶつかる問題でしょう。
しかし、逆にこの点を開業時より考えて経営することができれば、
非常に大きなアドバンテージになるものと確信しています。

 

1.入社年齢が若く一人前になるまでの期間が短い

美容室へ入社される方は20歳前後非常に若いです。
加えて、スタイリスト=一人前になるまでの期間が他業種と比べて極めて短いです。
一般企業の役職に例えながら考えてみましょう。
新人砂田くんが20歳で美容室に入社しました。
ここはまだ一般企業においても、=新入社員
何ら変わりはありません。
砂田くんは一生懸命レッスンを繰り返し、
自分の目標よりはやや遅れましたが、
25歳スタイリストにはなりました。
この時点で、=課長です。
砂田くんは美容師の楽しさを深く知ることで、
無我夢中、30歳トップスタイリストになりました。
この時点で、=部長です。
さて、砂田くんがこのまま頑張り続けるとしたら、
次は新店舗の店長=執行役員か、
独立しか先がないわけです。
一般企業の場合、入社後30歳前後で課長クラスになるのですら稀でしょう。
しかし、美容室の場合、その年齢だとトップスタイリストや店長などになってきます。
これは相当に特殊なことです。
この入社年齢の若さと成長速度の早さが、
人材マネジメントに大きな問題点をもたらします。

 

2.役職の幅が狭くその門口が広い

上記からも分かるように、
アシスタントからトップスタイリストと
役職の幅が狭く、また真面目に訓練を重ね、スキルを身につけさえすれば、
必然的に課長・部長クラスにせざるを得ないのが美容室という組織です。
これは技術職&人気商売であるがゆえの宿命です。
一般企業では、みんながみんな真面目にやってれば、
課長や部長になれるというわけではありません。
限られた人のみがその役職にたどり着くことができ、
また、みんながみんなその役職に就きたいわけでもないのです。
加えて、美容室に入社された新入社員の方々は、まずはスタイリストになることを目標に、訓練を重ね、走り続けます。
スタイリストになるころにはその走るペースが良くも悪くも馴染んでいます。
そのまんまのペースで走り続けるとすぐにトップスタイリストクラスへ、
そこで停止線へとたどり着いてしまいます。
停止線へたどり着いた年齢は30歳~35歳でしょう。
行きつくまでが早すぎるのです。

 

3.すぐにやってくる店舗の頭打ち

セット面3面を設置、スタイリスト1名&アシスタント2名を採用して
美容室を開業した!とします。
アシスタントは毎日レッスンを繰り返し早くスタイリストになりたい!
そう想ってくれるとオーナーとしてもありがたいですよね。
結果、3年で2名ともスタイリストになったとします。
そうすると、元々のスタイリストは店長クラスになります。
計3名のスタイリストに対して2名ずつ、計6名のアシスタントが必要となります。
ここでスタイリスト3名・アシスタント6名です。
さて、さらに3年後、計6名のアシスタント全員がスタイリストになれる状態に…、
この6名はスタイリストになれるでしょうか?
このままでは頭打ちです。
彼らにスタイリストとして活躍の場を与えるためには、既にいるスタイリスト3名に新たな活躍の場を設けて、
現店舗のスタイリストのポジションを空けてあげなければいけません。
ここで2店舗目や3店舗目という必要性がでてくるのです。
このように、美容室における人材マネジメントは
人材が若く、スタイリストになるまでの期間が非常に短いため、
極めて短期間で店舗の頭打ちがやってくるのです。
一般的な企業の場合、課長クラスそれなりの年ということが多く、また、それまでに長い時間を要します。
美容室の場合、いわばこの課長クラスに数年で到達してしまうため、
課長になれる力のある若い人材で溢れるという状態になってしまいます。
しかも、美容室に入社する人材は基本的には美容師として活躍したい人材ですので、
課長、つまりスタイリストになれなければ辞めてしまう可能性が高いわけです。
これが美容室経営における人材マネジメントの超特殊な点です。

 

4.際限のない拡大か・人材流出か

そうなった時に考えるのが、

際限のないハイペースでの店舗展開か、人材流出を覚悟するという点です。
活躍の場を与えるためにどんどん店舗展開をしていく!という場合は、
人材流出を抑えることはできるでしょうけど、
末広がりでどんどん採用アシスタントの数は膨れ上がっていくので、いずれ限界がきますし、
経営リスクも高くなってきます。
人材流出を覚悟します!という場合は、無理な店舗展開をする必要はありませんが、
常にスタッフの離職リスクが高い状態にありますので、
常に採用できるような策を考えておかなければいけませんし、
離職を繰り返されると育成そのものがストレスになるでしょう。

 

5.求める人材のシフトチェンジ

今現在、美容室としてどんな人材を採用したいか?
開業当初の美容室オーナーは、ほぼ口を揃えてこう言います。
「やる気のある若い子!」
これは当然大大大正解ですよね。
組織として売上を造っていく以上、
やる気満々の美容師が大好きな若々しいスタッフが多い方が
当然その成長も早いですし、何より可愛いでしょう。
しかし、このいわば優れた人材採用を続けるといずれマネジメントが破綻に向かってしまいます。
上述したように、もはやポジションの空きがなくなるからです。
そのため、どこかで求める人材のシフトチェンジを行う必要があります。
考えられる方法は2つです。
スタイリストの独立を支援する体制を造っていく「スタイリスト離職型」か、
育成スタイリストを維持し、アシスタントの採用を繰り返す「アシスタント離職型」
厳しい決断ですがかなり重要なポイントだと思います。

 

6.給与形態の見直し

求める人材のシフトチェンジを実際どうコントロールするのか?
具体的には給与形態のピークをコントロールすることです。
「給与形態なんて今のところないよ」ってオーナー様は要注意です。
すぐに作られることをおススメします。

スタイリストの独立を支援する「スタイリスト離職型」の場合は、
給与形態として、
アシスタント→アシスタント兼スタイリストの給与上がり幅を大きく設定、
それ以外は基本的に緩やかな設定にする必要があります。
つまり、「スタイリスト離職型」で重要なのは、
平均点スタイリストである期間を長くとれるかどうかです。
そのために、アシスタント→アシスタント兼スタイリストの給与上がり幅をピークに設定、
アシスタント兼スタイリストのポジションで、できるだけ長くいてもらうことが重要です。
その後は、より緩やかに設定することで、暗に独立を意識させることになります。

育成したスタイリストを維持&アシスタントの採用を繰り返す、「アシスタント離職型」の場合は、
初任給を高めに設定→アシスタントレベルが上がる毎の給与上がり幅を大きく
アシスタント→スタイリストの給与上がり幅は小さく設定する必要があります。
要するに「アシスタント離職型」であれば、
重要なのは求人と、いかに長くアシスタントとして活躍してもらうかという点です。
そのために初任給は高く、スタイリスト以降はほぼ給与が上昇しないような
給与形態にすることで、「アシスタントでも十分」と思ってもらうことができるかどうかです。

多店舗展開している大きな美容室、
あなたの地域にも少なからずあるでしょう。
新人の初任給になぜこんなに出せるのか??
と思ったことがありませんか?
もちろんその生産性の高さからくる資本力だ!というのもありますが、
「アシスタント離職型」への給与形態のシフトチェンジを行っていると考えるのが自然でしょう。

自身、「アシスタント離職型」の方が現在の人材にはマッチしているのかなと考えています。
以前ほど、独立心や向上心の溢れるような人材は多くなく、
むしろ、ゆるやかに働きたいという人材の方が多いと思います。
この状況は美容室経営者にとっては、決して悪い状況ではなく、
考えようによっては良い状況であるかもしれません。
自社の美容室のステージに応じて、
給与形態のピークをシフトすることにより、
スタッフのマインドをコントロールしていく、
これは美容室の経営者として非常に重要な仕事だと思います。

 

7.何をもとにシフトチェンジを行うのか?

開業前、どんなに遅くても開業後軌道に乗ってきたら、
必ず長期経営計画を作成しましょう。
5年~10年程度の計画が理想です。
自分は将来店舗拡大を目指すのか?
拡大するのであれば何店舗まで目指すのか?
まずは店舗としての経営計画を立てましょう。
そうすると最終的に必要なスタイリスト&アシスタントの人数がはっきり分かるはずです。
そこに現スタッフと採用予定の各スタッフを落とし込むことで、
ここまでが幹部層として確保&活躍可能で、残念ながらここからの採用スタッフは活躍の場が用意できない…
ということがつかめます。
すると給与形態をシフトするタイミングも見えるはずです。
その後は、毎年、各スタッフのキャリアプランをヒアリングしながら計画に反映していきましょう。
活躍する場所が用意できないのであれば、何か別の方向に視点が変わるように、
独立の方向性を考えるように、じっくり間接的にアプローチしていくことが重要です。
現実的に見て、どこで線を引くのか、それを必ず事前に考えておきましょう。
美容室経営は、
開業時の熱さと、軌道に乗った後の一種のクールさという両面が極めて重要な業種であるのかなと、
私は考えております。

 

8.まとめ

美容室の人材マネジメントは、
①入社年齢が若い
②一人前になるまでの期間が極めて短い
③役職の幅が狭い
④技術を評価せざるを得ない
⑤スタッフの成長速度が良くも悪くも馴染んでしまっている
という点で極めて特殊である、ということをまずは理解することが重要です。
これに対応するためには、
求める人材をシフトチェンジしていくことが必要です。
求める人材のシフトチェンジは、
給与形態のピークをコントロールすることにより行います。
「スタイリスト離職型」の場合は、アシスタント→アシスタント兼スタイリストの給与上がり幅をピークに設定。
アシスタント兼スタイリストのポジションで、できるだけ長くいてもらうことが重要です。
「アシスタント離職型」の場合は、重要なのは求人と、いかに長くアシスタントとして活躍してもらうかです。
そのために初任給を高く、スタイリスト以降はほぼ給与が上昇しないようにコントロールし、
「アシスタントでも十分」と思ってもらうことができるかどうかです。
給与形態のコントロールを行うために、必ず5年~10年程度の長期経営計画を作成しましょう。
そこから最終的に必要なスタイリスト&アシスタントの人数をつかみ
どこで線を引くのか、それを必ず事前に考えておきましょう。
さらに、毎年、各スタッフのキャリアプランをヒアリング
導いていく方向性に向けるようじっくり間接的にアプローチしていくことが重要です。

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